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2009年11月14日

三十七番〜2

今日は晴れ。雲がところどころあるが雨にはなりそうにない。雲の位置がかなり低い。冬の空だ。
朝食は無料サービスらしい。いつもならここぞとばかりに食い溜めをするが、今朝はおかわりをしなかった。食にムラがあると逆に疲れる。
今日は四万十川を渡し船で渡るつもりだ。荷造りをしてフロントで渡し船の発着所を聞く。地図ももらい、いざ出発。
四万十川沿いを河口に向けて歩く。昨日の雨のせいか四万十川は濁っていた。日本一の清流も形無しである。河口付近では川一面に沢山の杭が打ち込んであった。あれは何だろう。
発着所付近に着いた。しかし場所がよく解らない。
「すいません〜」
歩いてたおばちゃんに聞くことにした。
「渡し船やな?あっちや」質問を投げ掛ける前に答えてくれた。
発着所には誰も居なかったので看板に書いてある番号に電話をした。
「あの〜渡し船をお願いしたいんですけど」
「あ〜今日は運休なんよ〜看板見なかった?」
「え?」
困った。ここまで7キロ歩いて来た。橋があるところまでまた7キロ戻らないといけない。
「ちょっと待ってな」
電話が切れる。
「ジリリリリ〜ン」
「はい」
「車で対岸まで送ってあげるわ〜そこで待ってて〜」2分後、軽四が来た。
「いやいや〜すいませんね〜昨日のシケで防波堤が流されて湾内に波が入って来てるんよ〜」
よく見ると湾内に物凄く大きい波が入って来ていた。「復旧しようにもまだ波があって手が出せないんよ〜」
なるほど。考えたこともなかった。海のシケで進めなくなるなんて。いかに日頃陸路のことしかを意識してないのか良く解った。

車に乗った。この旅初の車である。あの若い坊さんなら
「乗るんですか〜修行になりませんよ〜」
って顔するんだろうな。
僕は根に持つタイプだ。
車は早い。一時間半かかった道を数分で走る。ITとタッグを組んで人の生活のテンポを速めるわけだ。

「そうそう。あの杭は何ですか?」
「海苔の養殖よ〜」
「へ〜」

道の脇を歩き遍路の方が歩いていた。運転手さんが声をかける。もっと海苔の話を聞きたかったが諦めた。
「渡し船は今日運休なんですよ〜対岸まで送りますけど乗られますか?」

定年退職されたくらいの方だった。三人で数分のドライブ。

「昔からあった渡し船は何年か前に廃止になって、今は地元の有志が集まってやってるんです〜」
「空海も渡し船で行ったみたいですしね〜残さないと〜」
「色々な思惑が各々にこっちが遍路道ですと言ってますけどね」
遍路道に関しては色々政治的な動きもあるんだろう。
対岸に到着し、歩き遍路の方と歩き始める。珍しく長い時間を一緒に歩いた。高度成長期の頃の話、どう思って働いていたか。
「拡大していくのが当たり前だと本気で思ってた。」
「仕事は面白かったし生活も豊かになっていった。」
「家は省みなかったけど誰もそれに文句は言わなかった。それだけの給料があったんだろうね。」

「じゃ〜マイホームパパって概念は経済はもう拡大しないって世代の概念かもしれないですね〜」

「それ面白いね〜」

そんな話をしながら歩いた。
「僕はね。キリスト教と民主主義が一緒になったものに騙されたと思ってる。」
会話の中でそんなことを言っていた。要はアメリカのことだろう。
「騙されたんじゃなくて、只の農民の武家コンプレックスですよ」
とは言えなかった。
農民の武家への憧れがアメリカナイズという形と合致して経済を成長させた。本当に騙されてたら日本的経営なんて出てこない。この人も日本を豊かにしてくれた一人だ。

20キロほど進んだ辺りから僕のペースが落ち始め別れた。今日は浜辺で野宿。

今日は袋麺じゃなく。生麺のうどんです。



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この記事へのコメント
ハラハラドキドキ。
携帯片手にコタツから顔だけ出して私もお遍路してる気分や~。
Posted by emu at 2009年11月15日 03:27
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