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Posted by naturum at

2009年12月03日

六十番〜六十四番

「テントを少し避けてくれませんか?」
その声で目が覚めた。外は雨だった。ここから先は山道なのでおじさん遍路は明るくなるまで休憩をしにきたようだ。
よく喋るおじさんだった。話を聞いているとお坊さんらしい。檀家寺から離れて山の中で生活を始める覚悟を決めに来たらしい。今日はこのお坊さんと1日歩くことになる。
「一緒に登ろう」
あれよあれよと同行することになった。色々話をしていると今の寺に不満があり山で暮らす決心をしたようだ。一緒に登り始めたが大分ペースが違う為に置いていかれる。しかしお坊さんは参門前で待っていた。
「一緒に登ろうと行ったからには待つ」
そう言っていた。
六十番を打ち終え山道を降る。道を間違えて車道を延々と歩くことになった。山は綺麗に色付いていた。
「どうだ?一緒にやらねぇか?」
「はぁ?」
「一緒に山を開墾して畑耕さないか?」
「そんなの即答できませんよ」
即答すべきなのは解っていた。その後も勧誘は続くのだが。
こんなことを言われた。
「君には型も価値観もないんだね」
「よっぽど他人に対して自信がないんだな」
どれも身に覚えがある言葉だった。
「俺の所で1年手伝って道場に行ってどこかの住職になればいい」
「生活は保証する」
僕は坊さんになることに何か抵抗がある。信仰にも抵抗がある。
このお坊さん臨済宗のお偉いさんらしい。それを捨てて山に入るらしい。
「君は形を身に付けないといけない」
そうも言われた。
これも身に覚えがある言葉だ。
今日はそのお坊さんと同じあずま屋で寝ることに。明日も勧誘されるだろう。
  

Posted by sumi at 18:55Comments(2)行程編