2009年11月01日
二十三番〜4


暫く歩くと集落が現れた。漁村のようだった。集落の中でタバコの自動販売機を見つける。タスポを持っていないので普通なら素通りだが、自動販売機の隣におじさんがいた。チャンスである。
「タスポお持ちですか?」「いいよ」
一言で察してくれて、貸していただけた。ただ本当はやってはいけない行為だ。
小銭を入れようと財布をみると小銭がない。
「あっ。大きい紙幣しかないっ。」
「いいよ、いいよ」
と言いながら、おじさんは小銭を自動販売機に入れてくれた。結果的に接待して頂いてしまった。
「本当にありがとうございます。」
御大師のお札を渡してお礼を言った。
食べ物や飲み物ではない趣向品を接待して頂いたのは始めてだ。大切に喫まさせて頂こう。
この辺りの集落は国道を挟んで海に面している。国道の海側には大きな堤防があり、集落や国道からは海が見えない。せっかくなので堤防に登り、その上を歩く。やはりこちらの方が気分が良い。
揚々と歩いていると、雲が拡がり、雨が降りだした。
このあと延々と雨の中をずぶ濡れになりながら歩いた。
今日は疲れた。明日は遂に二十四番を打つ予定だ。