2009年11月19日
四十番

休み過ぎたか調子が出ない。身体が重い。休憩すると寒い。ネックウォーマーが威力を発揮してくれた。数日前まで半袖で歩いていたが今日は終日三枚来ている。この分だとダウンが出て来るのも時間の問題だろう。
この山道は所々で集落とぶつかる。おじさんに挨拶。
「でっかい荷物やね〜」
いつものパターンだ。
「やり過ぎましたわ〜はぁはぁ〜」
いつものパターンで返す。
「最近は若い子も多いわ〜」
「そうなんですか〜何年前位からですか?」
「5〜6年前かなぁ〜」
「へぇ〜」
5〜6年前から若い遍路が増えている。何が理由だろ?歩きながら考えたが解らなかった。
暫く歩くと牛が何頭かいた。茶色のジャージー系の牛に見えた。岡山の蒜山にいるやつだ。子牛が泥の中を跳ねていた。
頂上に到着。この山道は昔重要な街道だったらしく、関所もあったらしい。茶屋の跡等もあった。
愛媛県に入る。修行の土佐から菩提の伊予へ。急に山道が整備され歩き安くなる。標識も細かくある。県によって違うみたいだ。
身体は重いまま歩き続け四十番へ。団体さんと鉢合わせになる。久しぶりの光景。おばちゃん軍団に絡まれる。
おばちゃんA「歩き?凄い荷物ね〜」
おばちゃんB「ここまで何日掛かった?」
おばちゃんC「野宿?今日は何処で寝るの?」
おばちゃんABC+何人かのおばちゃんが同時に質問をし始める。空海じゃなくて聖徳太子を求められる。答えるだけ答えたが
最後には
「格好ええわ〜拝んどこっ!!」
もう訳が解らない。
しかしディズニーランドのミッキーマウスの気持ちが少し解った。僕もまた彼女達の旅の思い出の一部なのだ。
おばちゃん嵐が止み、静かになった境内で納経を済ませ、今夜は四十番にお世話になることになった。
最後にドッと疲れた一日だった。